McGuffin(マクガフィン)

“Chilly Source” チルなクリエイティブ集団に迫る!

Prologue
気が重い残業中、ドライブのとき何を流していいかわからなくなったとき、掃除中のBGMとして…etc. HIPHOPに少しでも興味がある人なら、YouTubeでHIPHOP関連の動画をディグってる時によく見る、あの‟オシャレな日本語HIPHOPミックス(都会の朝焼けのサムネイルが印象的な)”に一度は身を委ねた経験があるはず!

今回McGuffinは、そんなチルなHIPHOPを中心に様々なクリエイティブを発信している集団‟Chilly Source(チリソース)”が主催するイベント、‟Chilly Source Jam”に潜入してきた! 主催者、出演者のインタビューを元に、Chilly Sourceの実態を解き明かしていくことにするとしよう。

 

 

VOICE1:主催者 Chilly Source (DJ KRO & AKITO)

AKITO「温かみのある空間で、生バンドなどを絡めてチルな雰囲気を演出する」

—早速ですが、Chilly Sourceはどのような活動をしている集団なのですか?
DJ KRO:活動としては週一回、日曜日の夜10時からYouTubeでライブストリーミングをしています。その後アーカイブをサウンドクラウドにUPするという形態ですね。それ以外ではアーティストのトラックをリリースしたりですとか、アパレルも扱っていたりします。
あとは今日みたいなイベントを2、3ヵ月に一回の頻度でやっているという感じです。馬喰町シタンで開催している‟Chilly Source Jam”と中目黒ソルファでやっている“Beat Down”の2本です。
—イベント自体はどのような内容なんですか?
AKITO:シタンでやっている今回の“Chilly Source Jam”に関しては、こういう温かみのある空間で、生バンドなどを絡めてチルな雰囲気を演出することを意識しています。担当は主に僕がしていますね。
一方のソルファでおこなっている“Beat Down”というイベントはDJ KROが担当しています。
うちの事務所にはillmore、ケンチンミン、ぴのこ、maco maretsというアーティストが所属しているんですけど、彼らがプッシュするようなビート寄りの音をしっかり出して、躍らせられるようなイベントですね。

—アーティストマネジメント、空間プロデュース、ラジオ、映像制作など活動は多岐に渡りますが、コンテンツの棲み分けや使い分けってしていますか?
DJ KRO:使い分けは特にしてないですね。計画的にアウトプット先を決めてから行動というよりは、自分たちが良いと思ったものを単純に出すという、どちらかというと感覚的に発信していますね。
AKITO:“Chilly Source(チリソース)”は“Chill(チル)”の“Source(源)”という意味なんです。僕たちがチルだと思ったものを発信していくということなんですね。なので、自分たちがチルだと思ったものであれば、音楽でもアパレルでもアートでも、それが一番よく伝わりやすい方法でどんどんリリースしていっていますね。
—誰が最初に立ち上げを宣言したんですか?
DJ KRO:僕ら二人ですね。お互いDJもやっていましたし、感性も合うねってことですぐ意気投合して。ただ最初はコンセプトが全然決まらなくて、色々考えた結果、チルアウトが僕らの価値観を表現しているんじゃないかってことになって。そこから“Chilly Source”っていう名前をつけたんです。
従来の踊って飲んでっていうクラブカルチャーへのカウンターというポジションですね。オールナイトではなくDAYイベント、酒というよりはコーヒーみたいな、ナンパじゃなくて会話を楽しむ的なね。

—ちなみに、お二人は同年代なんですか?
DJ KRO:そうですね。二人とも87年生まれです。
—今の若い世代のHIP HOPリスナーって、日本でいうと雷後のNITROやMSCなどの硬派も聴いているし、RIP SLYMEやKICK THE CAN CREWなどのメジャーアーティストも聴いている。幼い頃からその両方が共存していて、好き嫌いが僕ら世代に比べると少ない気がします。そんな世代も巻き込んでいくうえでフロアでかける楽曲選びはどのようにおこなっているのですか?
DJ KRO:硬派なHIPHOPはもちろん好きですし、チェックはしているのですが、流す場所は考えていますね。やはりChilly Sourceでかける場合、その楽曲を聴いて食事がおいしくなったりだとか、会話が弾むときにかかっていてほしい曲を選んでかけるようにしています。そうすると静かめな曲のウエイトが高くなるので、現状ハードな曲の出しどころは迷っている感じですね。
基本的に僕は日本のHIPHOPをメインに扱ってるのですが、AKITOはUSのHIPHOPやR&BやROCKをメインにしていて。今まで、日本とUS、その二つがうまく混ざりあっている現場ってないなーって思っているのでバランスはいいと思っています。
—確かに。HIPHOPのイベントに行くと日本語で縛っていたり、USのみっていう場合が多いですもんね。
DJ KRO:そうなんです。そこに僕はすごく違和感を感じていて。なんで日本人なのに日本語HIPHOP聴かないんだろうって。それを混ぜた方がクラブ、ひいては日本のカルチャーって良くなっていくんじゃないかなーって思っているんです。日本語ラップ好きな人も逆に海外の曲に触れてみて、良さを知ってもらいたいですし。なので、僕ら二人が一つのイベントで役割分担できているのは良い事だと思いますね。
—そのお話を聞いていると、ロゴマークも和洋折衷な雰囲気が出ていてイメージに合っていると思います。
DJ KRO:富士山と波をイメージしていますね。葛飾北斎といいますか。

—87年生まれということでちょうど30歳になる年齢だと思うのですが、20代の頃は何をやっていましたか?
AKITO:僕は新卒で入った会社がバリバリの不動産の営業会社だったんですけど、まったく音楽とは真逆の仕事でしたね。音楽辞めて、バリバリ仕事をしてやろう!っていう気持ちの時期だったんです。
でも、途中からやっぱり音楽やりたいって思いはじめて。そこから転職を考えて、音楽業界に近いようなWEB系の会社に移りました。今もそこで働いていますよ。
DJ KRO:僕は逆で、仕事をしながらも音楽活動は続けていました。DJとしてキャリアを積んでいこうと。ただイベントのDJとして参加させて頂いていたんですが、なかなか上手いこと自分自身のアピールが出来なくて、中々芽が出なくてもがいていました。SNSもWEBもその時は今より未発展でしたので、どうアピールすればいいか毎日考えていましたね
ですので、今のChilly Sourceとは趣向の違う、色々なイベントの企画やオーガナイズもしていました。

—会社勤めが忙しくてクリエイティブな仕事をやりたいけど、やれてない人に何かアドバイスはありますか?
AKITO:両立は大変だけど続けるということは大事だなと思っています。
例えば絶対週一でラジオを配信し続けるとか。一人でも出来ることはあると思っていますし、インスタでもなんでもいいんです。毎日発信したいことを下手でもいいからやり続ける。それが途切れてしまったら何も見えてこないと思うんですよね。
まずは途切れずにこなす。そうすれば質は付いてくると思います。
DJ KRO:僕も同じですね。続けることが大切かなと。
僕自身、もがいてる時期でもミックスCDを出し続けていて、でも全然誰にも刺さらなくて。ある日、ふと日本語ラップのミックスを作ってみようって思って作ってUPしてみたら、それが自分でもびっくりするぐらい、沢山の方に聞いていただいて、300万再生とかされて。
あ、この方向性で行けるのかなって、そこまでしてやっと見えたレベルなので。
—今日はクラブイベントですが、お客さんにはどんな風に楽しんでほしい?
DJ KRO:クラブだとお客さん同士やアーティスト間で話したりしにくいんですよね。だけど、ここでは音楽を聴きながら話せますし、深い親交も持てます。
ちゃんと仲良くなって、出会いも生まれてほしいなって思っています。
—確かにクラブだと下心とか出ちゃいますもんね。
AKITO:そうそうそう。そこはいらないんですよ。気軽に来られる場所って思ってほしいんですよね。カフェに来る感覚で。
—絶賛成長中のChilly Sourceですが、今後の目標はありますか?
AKITO:所属アーティストがいてレーベルが成り立っている部分もあるので、より彼らの発信やリリースを強めていきたいです。
あとは映像に力を入れていってミュージックビデオをガンガン発信していく。
DJ KRO:Chilly Source=チルアウトの定義みたいなところまで行きたいですね。
そういう文化を作っていきたいですね。

 
VOICE2:出演者 underslowjams

yoshiro「今回のイベントはちゃんと音楽を聴いてくれる人がたくさんいる」


シーンに戻ってきたヒップホップバンド‟underslowjams“。結成14年のベテラングループから見たChilly Sourceの魅力、イベントの雰囲気を語ってもらった。

—ライブを終えてみて、いかがでした?
yoshiro:雰囲気がすごく良かったですね。なかなかない空間ですよね。こういうライブやパーティがあったらもっと出たいです。
rag:こういうイベントは過去にも何回か出たことがあるのですが、割合的にはかなり少ないですね。最近少しずつこういうチルなイベントが増えているようなイメージがあって、僕ら自身もお昼からのイベントを増やしたいなーって思っています。
yoshiro:クラブはクラブでいいお客さんはいっぱいいるのですが、泥酔しているお客さんとかも結構いて。夜は大変なんですよね。今回のイベントはちゃんと音楽を聴いてくれる人がたくさんいる。
rag:今日来てくれている人たちもクラブには行くんだろうけど、まだ生き残っている時間帯だからね(笑)。
—underslowjamsとChilly Sourceに近いものはありました?
rag:うん。なにかコミュニティみたいなものを感じましたね。来たことないとこだったし、自分たちとは違う環境なんだろうけど、同じような雰囲気は感じましたね。
yoshiro:何かをみんなで作っていく感覚は近いよね。パーティも好きそうだし。
—今回のイベントに参加された経緯は?
take-c:SHU君(元UC-HARAJUKU-、ミルクのスタッフ)の存在ですかね。もともとミルクでSHU君が店長だったときから繋がっていて。俺らミルクに当時すごく出させてもらっていて。
yoshiro:もう10年以上前だよね。俺らがバンドでやっていたときから。
take-c:それで今回もSHU君が誘ってくれて。
yoshiro:こういうイベントがあるんだけど、合うんじゃない?ってことで提案をいただいた感じだよね。
—このイベントを通して伝えたいことはありますか?
rag:いや、むしろこちら側がありがとうございますって。みんなオシャレでこっちが刺激もらっちゃってます。昼帯からのイベントってあまりやってなかったので、これからもっと増やしていって、今日来てくれたお客さんのような人たちがまた来てくれたらと思います。

Epilogue
意外だったことは、主催者二人はどちらともキチンと社会人を経験して(あるいはしている)からクリエイティブな集団を作り上げたということ。同じ信念のもと、その方向性とセグメントをしっかり決め、あとは情熱をもってそれを持続させることができれば誰にでもチャンスはあると言えるかもしれない。十分インプットはしたなーって感じているキミは今すぐ動き出すべきなのかもしれない。

<CREDIT>

■チリソース
Chillで気持ち良い音楽をテーマにラジオ配信、
トラックリリース、空間プロデュースを行うライフスタイルレーベル。
毎週日曜日YouTubeで22時~23時30分、DJによる
様々なChillout musicを配信している。
また、ロサンゼルスにも支部があり、現地のオンラインラジオ局である
Traklife Radioとも提携して世界にChillout musicを発信している。

HP:http://chillysourcetokyo.com/
SOUNDCLOUD:https://soundcloud.com/chillysource
YouTube:https://www.youtube.com/user/yusuke2808
Instagram:@ChillySourcetyo
Facebook:https://www.facebook.com/chillysourcetokyo/
Twitter:@ChillySourceTyo

 

■アンダースロージャムズ
2004年結成のヒップホップバンド。
Vo. yoshiro、MC. rag、Dr.&Ba. take-cの3人からなる。
2016年、約10年ぶりとなる作品“HONETIC CODE”を
発表しシーンにカムバック。
新たなHIPHOPフリークたちの支持も得ながら昨年、
シングル“Frustation”をリリースした。

HP:underslowjams.com
Facebook:https://www.facebook.com/underslowjams-149609772462929/
Twitter:@underslowjams_

PHOTO:TAKAHIRO KIKUCHI
TEXT:ANDO

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