【EAT & SHOPPING in Shibuya】
It Girlが人気のお店をガイド!#1
Prologue
日本が世界に誇るトレンド発信地、渋谷。
これまでにさまざまなユースカルチャーが生み出され、東京のランドマークのひとつとして世界中から観光客が足を運び、
日夜賑わいを見せている。
その街は今、2020年に向けて再開発が進められ、少し違った表情に変貌を遂げようとしているようだ。
そんな中で改めて渋谷のカルチャーエリアたるゆえんを見直してみる。
渋谷の街並みは変わっていっても、ずっと変わらずに愛され続けるであろうお店がココにはあるのだ!
そんなミレニアルズが思わず反応してしまう人気ショップを、流行に敏感な女の子がナビゲーションする新企画。
今回は、女優・モデルとして活動する宇田川かをりちゃんが2つの気になるお店
「W.P. GOLD BURGER」&「STRANGE STORE」をナビゲートしてくれたぞ。
そこは個性溢れるインディペンデントなお店。
きっと、あなたも休日のスケジュールに加えたくなることでしょう。
■カルチャーのエッセンスを感じるハンバーガー屋
「W.P. GOLD BURGER」
1軒目は、渋谷駅スクランブル交差点の反対側、宮益坂を登ったところにあるハンバーガー屋さん「W.P. GOLD BURGER」。
ハンバーガー好きの人たちが、おいしいって言っているのを聞いていて気になっていた場所です。
早速お邪魔してみましょう!
このお店を営んでいるのは、上嶋さんと九嶋さんの2人。上嶋さんがいろんな質問に答えてくれました。
幼馴染の2人で営業する、独学で完成させたボリューミーなハンバーガー
ーいつからお店をはじめたんですか?
最初は、知り合いがやっている中目黒のバーで間借りして営業していたんですけど、
8年くらい前にこの場所へ移転してきました。
ー壁にイラストが描いてあったり、ブランドのステッカーが貼ってあったり。アパレルの人とかクリエイターの人たちがよく集まるんですか?
そういう訳ではないんですけど、こういう人たちが来ると、描かせてくれとか貼ってくれって言われて増えていったんですよ。
ーこのイラストかわいいですね!
それはグラフィックデザインやイラストレーターとして活動しているロンドンのアーティスト、ウィル・スウィーニーが描いたイラストです。
ー友達がやっているブランドのステッカーもある!
あ、そうなんだ!? いろんな人が足跡を残してくれるんで、そういう発見があるとおもしろいですね。
ーさっきまで女性のお客さんで席が埋まっていましたね。
女性のお客さんも多いですよ。でも、この辺は会社が多いからサラリーマンもくるし、渋谷だから若い男の人も多いし。男女問わずに幅広い年齢層がいらっしゃいます。
ーカウンターにDVDが並んでいますが、映画が好きなんですか?
そうですね、人並みですけど。あとはスケートボードのDVDも置いてあります。このBAKER 3ってスケートビデオがお気に入りで、全部がおもしろいんですよ。
ースケボーをやっているんですね。
僕ら2人とも高校生の時からやっています。
ーなぜハンバーガー屋をはじめたんですか?
2人ともハンバーガーが好きだったので。理由はそれだけです(笑)。
ー2人ともこのお店をはじめるまで、どこかのハンバーガー屋で働いていたんですか?
いや、働いていませんでした。味は完全に独学です。2人で、これを入れたらうまいんじゃないかって話し合いながら作っていきました。
ー味のこだわりは?
パンでハンバーグを挟んでいるというより、ステーキを挟んでいるイメージにして、食べ応えのあるパティに仕上げています。牛のいろんな部位を混ぜていることで、食感が変わるんですよね。それを炭火で焼いています。
ーお店の名前もそうだけど、メニュー名もユニークですよね。サラジェシカバーガー、ケビンベーコン(笑)。あ、ナタリーポテートマン(笑)。
先にお店の名前をふざけて決めちゃっていたんで、メニューを決める時にそっちに寄せるしかなくて。適当なんで意味はないです(笑)。ナタリーポテートマンはマッシュポテトです。
ーケビンベーコンのベーコンは十勝産を使っているんですね。
僕ら、北海道の帯広市ってところ出身なんです。聞いたことあります? 六花亭とか花畑牧場があるところです。だから地元の食材を使っているんですよ。
ー2人とも地元が一緒なんですか?
小学校3年生の頃から一緒です。20歳の時、2人で上京して一緒に住んでいたんですけど、その時にこのお店の構想を立てていました。
ービールの種類もたくさん! 玄米緑茶割もおいしそう。
ハンバーガーっていったらビールなので。お店をはじめる前にひたすらいろんなビールを飲んで決めていきました。夜にお酒を飲みに来る人もいますよ。
ーそれじゃあ、おすすめのハンバーガーをください!
これがケビンベーコン。おいしそう! すごいボリューム! 大きすぎて食べるのが難しそう…。
朝ごはんを食べてないからちょうどいいサイズかも(笑)。
おいしい! パティが肉々しいし、ベーコンがめちゃくちゃ分厚くて食べ応え抜群!
ーImpressions
本当においしいハンバーガーでした! 他のハンバーガーも食べてみたいし、
ハンバーガー以外にライスプレートもあるから、また来たいです。
■気になるものだらけのアートを感じるショップ
「STRANGE STORE」
次に向かうのは、渋谷と代官山の中間に位置するアパートの一室にお店を構えている「STRANGE STORE」。
ここは、現代美術アーティストの加賀美 健さんのお店で、なんと本人が店頭に立っているみたい!
なにやら、おもしろいお店だそう……。
どんなものが売っているのか楽しみ!
現代美術アーティストが作り上げたショップ=芸術作品
ーはじめまして、宇田川かをりです。
加賀美 健です。よろしくお願いします。
ーお店をはじめたきっかけと、この場所を選んだ理由を教えてください。
自分で好きにできるお店があったらいいなって漠然と考えていて。物件を不動産屋さんに頼んで探しはじめたんですよ。
それで、2軒目に連れてきてもらったのがここのアパート。
でも、人が住めないくらいボロボロだったので、他の部屋よりも家賃が安くて。
内装を綺麗にして、2010年7 月にオープンしました。
ー加賀美さんが一人でお店をやっているんですね。
僕がお店にいないとオープンしていないから不定休なんですよ。
例えば、展覧会で海外に行っちゃっていたら2週間くらいお休みだったりすることも。
だから、インスタグラムで営業を告知しているんです。今って、みんなインスタグラム見ているでしょ?
ーそうですね。加賀美さんもインスタを頻繁に更新していますよね!
くだらないのばっかり1日に何回もね(笑)。アイディアメモみたいに使っていますよ。
あそこにアップしておけば、インスタ側から怒られて削除される以外に絶対消えないでしょ?
ーそれじゃあ、加賀美さんのインスタを見れば、加賀美さんの人となりがよく分かる?
ほんのちょっとだけくらいなら分かるんじゃないですかね?
ーやりたいことをできるお店を作りたかったっておっしゃっていましたけど、お店のコンセプトみたいなものって掲げていますか?
だんだんお店自体が作品みたいになっちゃって。
だから海外のコレクターとか美術館の人がよく来るし、所属しているギャラリーにも
お店を作品として販売していいって伝えているんですよ。
だから、このお店を買いたいって人がいれば、物件自体は買えないけど、中身はまるまる買えるんですよ。
現代美術って空間を買ったり建物自体を買ったりって、そういうことができるんです。
お店としてやっていますけど、作品を作っている感覚かもしれないです。
ー懐かしいものから意味深なものまで、ディスプレイを見ていて飽きないです。
展示してあるぬいぐるみとかはメルカリで買っているんですよ。昔はヤフオクだったんですけど、今はメルカリ。
あとは友達が実家から持ってきてくれるんですよ。
展示品と商品を間違えてレジまで持ってきちゃうお客さんもいますけどね(笑)。
値段が付いていないものは非売品です。
ー加賀美さんといえば、「実家帰れ」のデザインのイメージがあります。なぜ、この言葉なんですか?
小学生の頃、野球やっていたんですよ。
その時に、僕がエラーとか三振すると先輩に「実家帰れ!」って言われて。
でも、小学生なんてみんな実家でしょ? それがずっと頭に残っていました。
お店をはじめてから、「実家帰れ」とかのひと言シリーズのステッカーを書くようになって、友人たちにあげていたんですよ。
それが口コミで広まって、欲しいって言われるようになったので販売するようになりました。
大体、「実家帰れ」以外のひと言ステッカーは、ひとつの言葉に対して2枚くらいしか描かないんですよ。
ーあ、このステッカー買います!
朝は食べないんだ?
ー朝は食べないので私にぴったり(笑)。こういう言葉って、どうやって考えているんですか?
パッと頭に浮かばない? 考えちゃうと難しいんだよね。
ボーッとしている時に友達に言われたこととかが浮かんでくるんですよ。なんか思い浮かんだ?
ー……「ホタテに似てる」かな。
ホタテ!? ホタテに似ているって言われたの? どの部分?
ー顔らしいです(笑)。
そう言われちゃうと、そう見えてきちゃうな(笑)。
そうやって、人と話して記憶に残っている言葉をチョイスしているんですよ。
日本人だから日本語を毎日話しているけど、いざ日本語が書かれたステッカーやバッジを見ると、みんな反応するんですよ。だからおもしろいなって思って。欧米文化が当たり前になりすぎて、Tシャツでもなんでも英語でしょ?
まだ抵抗があるかもしれないけど、やっと日本人がおもしろい日本語を使うのがアリなんだって、
ちょっとだけ浸透したのかなって感じがしますね。
ーあ! この子、知っています! なんでステッカーがあるんですか?
知り合い? 自分でステッカー作って持って来てくれたんですよ。
ーこれも買います!
ー本当におもしろいものがたくさんディスプレイされていますね。どういう基準で選んでいるんですか?
男の子って、街を歩いていてかわいい子がいたら見ちゃうんです。ほぼそれと一緒ですよ。
おもしろいと思ったものを並べているだけ。
これがイケてるのかな? ってワンクッション考えるってことが僕にはまったくなくて。
だから、おもしろいと思ったらなんでも集めちゃう。
ー収集癖があると家の中もすごそう。
家には置かないで、スタジオとかお店に持って来るんですよ。家はすごくシンプル(笑)。
ー加賀美さん自身が、1番気に入っているアイテムってありますか?
石川遼の油絵かな。これもメルカリなんですよ(笑)。
出品者の人もどっかで手に入れたみたいで、誰が描いたか分からない。届いてみたら意外とデカかった(笑)。
これを見にくるお客さんもいるくらいです。
ー古着も売っているんですね。
お店をはじめたばかりの頃は、海外に行ったついでに真面目に買い付けをしていますけど、
最近は古着もディスプレイの一部みたいなもんになっていますね。
ーディスプレイを見ていると加賀美さんの頭の中を覗いているみたい。さっき、インスタグラムを見れば、加賀美さんの一部が分かるっておっしゃっていましたけど、ここに直接足を運べばどのくらい加賀美さんのことが分かりそうですか?
来てもそんなに分からないと思いますよ(笑)。インスタも一部だし、お店も一部ですね。
ーImpressions
噂に聞いた通りおもしろいお店! いろんなものが並んでいて、感性を刺激してくれる場所でした。
ステッカーも買っちゃったし。加賀美さんのお話もおもしろくて、気づいたら長居しちゃいそう。
KAORI’s VOICE
今回ご紹介した2つのショップは、どちらも個性溢れる人たちが作り上げている場所でした。
渋谷に立ち寄った際は、ぜひ足を運んでもらいたいです。
<CREDIT>
■W.P. GOLD BURGER
住:東京都渋谷区渋谷1丁目9−4 トーカンキャステール渋谷203
☎︎:03-3407-0232
営:12:00〜14:30、18:00〜0:00
定休日:火曜
Instagram:@w_p_g_b
■STRANGE STORE
住:東京都渋谷区鶯谷町12-3 301
☎︎:03-3496-5611
営:平日15:00〜19:00、休日12:00〜19:00
定休日:不定休
Instagram:@store_strange
■宇田川かをり
1995年、東京都出身。BOX CORPORATION所属。
ファッション誌、広告のモデルとして活動中。
新たに女優としても活動を始め、幅広いフィールドで活動の場を広げる。
Instagram:@udgwkwr
PHOTO:Okabe Tokyo
TEXT:Shogo Komatsu