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CULTURE VIDEO MAGAZINE FOR YOUTH

東京の各シーンに新風を巻き起こす クリエイティブ集団YouthQuake

Prologue

雑誌やウェブマガジンなどでピックアップされ、業界内からも熱い視線が注がれている、東京を拠点に活動するクリエイティブ・クルー“YouthQuake”。

そんな彼らが、3月8日に移転オープンしたセレクトショップ〈PULP〉でホップアップを開催。それぞれのメンバーが手掛けるアパレルブランドのエクスクルーシブ展開やアート作品の展示によって、PULPの新たな一面を引き出し、訪れた人たちの感性を刺激した。

今の東京の気分と言えるほど注目されているYouthQuakeの活動だが、そもそも彼らはどんなメンバーで構成され、どんな活動をしているのだろうか?

今回のポップアップに参加したメンバーを中心に話を伺い、その実態に迫ろう。

YouthQuakeとは

感度が高い人たちならチェックしているであろうメディアやイベントなどでよく見かけるYouthQuakeという名前。その活動フィールドはファッション・音楽・アートといったカテゴリーを問わず、シーン全般を網羅する。彼らはジャンルの枠を越えて縦横無尽にストリートを駆け巡っているようだ。

−YouthQuakeはいつから活動をスタートしたんですか?

RiKiYA :5〜6年前、洋服を作っていた2つのグループがあって、お互いによく遊んでいました。それがまとまってひとつになったのがYouthQuakeのはじまり。メンバーは1994年と1995年生まれの同い年です。現時点でのメンバーは9人います。

−具体的にどんな動きをしていますか?

hsmt:洋服を作ったり、アートを制作したり、音楽活動をしたり。それぞれが好きに動いています。不定期でイベントや僕たち主催のポップアップも開催しています。

こうした自由な感性と積極的な活動こそ、彼らが注目される理由だ。この度、移転オープンしたPULPが訴求するターゲット層は、YouthQuakeと同じ新世代。YouthQuakeが今後の東京カルチャーシーンを担っていく存在だと確信しているからこそPULPがラブコールを送り、今回のポップアップが実現したのだ。

そこでは、メンバーが手掛けるブランドとPULPのコラボレーションアイテムのリリースや、アート作品の展示などがおこなわれ、移転オープン日でありポップアップ初日の3月8日にはレセプションパーティが催され、多くの来場者でにぎわった。

ではここで、ポップアップに参加したYouthQuakeの各ブランドとアートを手掛けるメンバーをご紹介していこう。

個々でクリエイションを発揮するメンバーの顔ぶれ

■東京の空気感をウェアに宿すFake Ass Flowers の1_sailさん

NAME:1_sail
BRAND:Fake Ass Flowers
@fakeassflowers

−今季のFake Ass Flowersはどのようなコセンプトを設けているのでしょう?

1_sail:今シーズンは“thenewcommune”をテーマに掲げています。Communeって、ヒッピーたちが暮らしているような街のことを指すんですけど、結局“thenewcommune”は自分が描いている空想の世界。東京で暮らしている中で目にする、東京の荒廃した街だったり自然が多い地域だったり、そういう現実世界の場所に対するメッセージを服で表現しています。

−このポップアップでは、どんなアイテムを販売していますか?

1_sail: 今回のポップアップでは、松の盆栽を展示しているんですけど、その盆栽からインスピレーションを受けたグリーンのアイテムを展開しています。今後予定している別のポップアップでは、アイテムを展示する空間から表現していきたいと思っています。

■車とファッションを融合させるCAR SERVICE のデザイナーhsmtさん

NAME:hsmt
BRAND:CAR SERVICE
@_carservice

−CAR SERVICEはどういうブランドですか?

hsmt: 車とファションが好きなので、シンプルにその両方を融合した〈CAR SERVICE〉というブランドを展開しています。デザインのソースとなるのは国産車が中心。80年代から90年代の角ばったフォルムの族車って、アメ車からインスパイアされているものが多いんですよ。内装にウッド調がよく採用されていたり、西海岸のテイストを香らせていたりしておもしろいので、その感覚を洋服に落とし込んでいます。ファッションのコーディネートにも使えるカーアクセサリーも少しずつ展開していく予定。

−PULPではどんなアイテムがラインナップしていますか?

hsmt: ポップアップではPULPのエクスクルーシブアイテムしか販売していませんが、リュックやメッセンジャーバッグのストラップにつけられるようなシートベルトカバーのサンプルも展示しています。

■音楽を背景にアートと服を作るshoegaze のKEI SAITOさん

NAME: KEI SAITO
BRAND:shoegaze
@shoegaze.rip

−YouthQuakeを通じた活動を教えてください。

KEI SAITO :コラージュ作品やアパレルを作っています。その両方は、自分の好きな音楽がバックボーン。ブランド名が〈shoegaze〉というんですが、それも音楽に関係していて、 “シューゲイズ(1980年代後半にイギリスで誕生したロックの一種であり、歪ませた轟音のギターが特徴的)”というジャンルの音楽が特に好きで。あとはHIPHOPだったり、メタルだったり、そういった音楽を自分なりに解釈してグラフィックやコラージュに反映しています。そこには“暗さ”を隠さないようにしています。自分が明るい性格ではないので、明るさを全面に出したグラフィックやコラージュを作っても説得力がないというか(笑)。なおかつ、ハッピーなものに溢れかえっている世の中だからこそ、自分の中にある嫌な感情を反映したいと思っています。

−アート作品もポップアップに展示しているんですね。

KEI SAITO : はい。今回のポップアップでは、〈shoegaze〉のウェアのほかに、コラージュの作品を4点展示させていただいています。

■感情をアートに昇華するBOBBY YAMAMOTOさん

NAME:BOBBY YAMAMOTO

−どんなアートを制作しているんですか?

BOBBY YAMAMOTO:自己表現の方法はいろいろありますけど、今の僕の場合は絵で自分を表現しています。PULPでは、キャンバスの作品を6点と、大きめの木の板に描いた絵を1点の計7点を展示させてもらっています。キャンバスや木など支持体は作品によって違いますけど、シルクスクリーンを使った作品が多いです。まだ模索をしている状態なので、もしかしたら1年後には違った手法で表現しているかもしれません。 僕の作品の根底には“死”があります。今は特に感じていませんが、ガキの頃、死に対する恐怖心がありました。その実態が分からないことに興味があって、ふとした瞬間に怖くなっていました。それを落とし込んだ作品が多いです。

ファッション、アート、音楽…etc. 多角的にアプローチするYouthQuake

ポップアップでアイテムの販売と作品の展示をしているのが以上のメンバー。そしてポップアップ初日におこなわれたレセプションパーティでは、会場の様子を撮影したり、DJのプレイをしたりする他のメンバーの姿もあった。

■映像や写真でリアルを追求するUDAIさん

NAME:UDAI

-活動内容を教えてください!

UDAI:映像や写真を撮っていて、映像作品やZINEを作っています。リアルな日常や飾らない生活で起こったことを記録したいと思っています。まだYouthQuakeの映像を作ったことがないので、今年は制作しようと考えているところです。それを通してそれぞれの活動では見られない部分を見せられたらいいですね。

■YouthQuakeのボスでDJのRiKiYAさん

NAME:RiKiYA

■どのような活動をされているんですか?

RiKiYA:DJとして活動をしていて、最近はビートを作っています。今後は音楽と映像を絡めていきたいです。YENTOWNに所属しているDJのU-LEE君とビートを作っていて、それをカセットテープでリリースする予定です。

U-LEE (YENTOWN)

大盛況に終わったポップアップ初日

レセプションパーティは、店内に入りきらないほどの友達や関係者が駆けつけ大にぎわい。RiKiYAさんの他にYENTOWNのU-LEEさんとtokyovitaminのDisk NagatakiさんがDJを務め、満員の会場を盛り上げた。

Epilogue

今後も活動から目が離せないニューウェーブ

可能性を秘めた個性豊かなメンバーが揃うYouthQuake。友達であることを前提に活動し、個々が好きなことを追求し続け、その動きが全部繋がることを目的としている。それぞれが各シーンの次世代を牽引していく重要な存在になるだろう。今後も彼らの一挙手一投足から目を離せない。


PULP
住所:東京都渋谷区神宮前6-19-20
営業時間:11:00〜20:30 ※年中無休(年末年始除く)
問い合わせ:03-6773-1209
URL: pulp.four-one-seven.jp/                                                 YouthQuake   @youthquake_

Text:Shogo Komatsu Photo:Yuta Kono