最注目の新進気鋭アーティストが集結。 McGuffinが表参道ROCKETで展示会を開催!

Prologue
MASHUPとは:2つの既存楽曲の要素を取り出して1つの楽曲を作り出すリミックス手法のこと。
YouTubeでの動画配信、オウンドサイトでの記事掲載、SNSコンテンツなど、さまざまなデジタル面でのアプローチでカルチャーやファッションなどに感度の高いミレニアル世代を巻き込み、日々、クリエイティブな活動を続けているMcGuffin。

そんなデジタルというフィールドを主戦場としてきたMcGuffinがこの度リアルイベントを開催しました。
MASHUPというイベント名にもある通り、McGuffin、アーティストそして参加者が様々な形で混ざり合って新たなカタチを創出するこのイベント。
普段はなかなか触れ合うことのない質感や、足を運ばないと感じることのできない雰囲気をライブで味わえ、大盛況のまま幕を閉じた“MASHUP×McGuffin”の様子をレポートしていきます!

新進気鋭アーティスト7名をキュレーション
“新しい未来を創っていくためのアートイベント“をテーマに掲げ、6日間にわたり”表参道ROCKET”にて開催された本展。
McGuffinが以前から一目置いているイラストレーターやフォトグラファー、ブランドデザイナーなどの新進気鋭アーティスト7名をキュレーションし、それぞれの作品の展示や作品&グッズの販売を実施しました。

また、通常の展示と同時にアーティストとMcGuffinとのコラボ作品も制作。
各アーティストが“Youth(若さ)”/“Trigger(きっかけ)”どちらかのテーマに沿って制作したポスターなども展示するというアートな空間を創出しました。

“MASHUP×McGuffin”に参加したアーティストの顔ぶれ
では、ここで今回“MASHUP×McGuffin”に参加した新進気鋭アーティスト7名を紹介していこう。
インタビューでは、制作時のインスピレーションとアーティストを目指したきっかけを主軸にアート、仕事観について語ってもらった。

■ライフスタイルレーベル“Chilly Source”のアートワークを担当、様々なミュージシャンのジャケットデザインでもおなじみのイラストレーター、Kureino


―制作時のインスピレーションはどこから?
Kureino:音楽と映画の2つから受けることが多いです。でも基本的には音楽からの影響がデカいかもしれないです。HIPHOPをよく聴くんですけど、そこからのインスピレーションが多いですね。
自分の従兄弟がビートメーカーをやっているんですけど、そいつと昔から遊んで一緒に音楽を聴いたりするなかで感性を磨いた感じですね。
試行錯誤しながら自分の作風を生み出していきました。

―いつ頃からイラストレーターを志すようになったんですか?
Kureino:元々、絵を描き始めたのは高校生からなんですけど、本気でイラストレーターになりたいって思ったのが20歳の頃。バスキアの映画を観たのがキッカケです。そこでイラストレーターってカッコいいなって思ったんです。バスキアみたいな生き方はさすがにできないと思うけど、すごく刺激を受けたんですよね。あとはバンクシーとか、本当に王道のアーティストに憧れてからですかね。

―最近はどんなお仕事をされていますか?
Kureino:最近は、ジャケットが多いですね。直近でいえばDJ HASEBEのCDジャケットを担当しましたし、今後も僕が担当したジャケットのCDが発売予定です。あとは、アパレルとのコラボが多いですかね。
―作品・仕事へのこだわりは?
Kureino:色味にはこだわっているかもしれません。僕が描く絵は人が多いんですが、なぜ人かというと、人から刺激をもらうことが本当に多いんですよね。だからこそ人を描き続けています。
観てくれる人にはどういう捉え方でもいいんです。それぞれの感性で観てくれたら嬉しいですね!
■ヒップホップクルーKANDYTOWN関連のZINEやアートワークを手がけるイラストレーターのSUGI


―制作時のインスピレーションはどこから?
SUGI:昔の雑誌や自分の記憶を頭の中でコラージュしてから絵に落とし込むことが多いですね!
日焼けして黄色くなったアメコミ雑誌やファッション雑誌にもネタがあるので、よく活用していますね。あとは、自分の感情を大事にしています。
―いつ頃からイラストレーターを志すようになったんですか?
SUGI:大学生のときに、展示に行きまくっていたのがきっかけです。それまでは絵描きになりたいという感情はなくて好きで行っていたんですが、ある展示を観た時に何も感じなかった瞬間があって。これだったら僕でもいけるんじゃないかなって思えてきて、そこから絵と向き合うようになりましたね。

―最近はどんなお仕事をされていますか?
SUGI:最近は雑誌の挿絵だったり、セレクトショップに作品を置かせてもらったりとか、Tシャツとか作って販売をしたりしていますね。
あとはKANDYTOWNのDJのMASATOとMinnesotah ってやつと、写真家の相澤くんって子の4人で渋谷のcontactでパーティーをやってます! 毎月第二火曜日にやっているので、ぜひ!

―作品・仕事へのこだわりは?
SUGI:なぜかわからないですが、僕は常に怒っているんですよね(笑)。何かを覆したいって思うし、負けたくないって感情が作品の表に出ていることが多いんです。こだわりって言われると難しいけど、人と同じことをしたくないって気持ちがこだわりなのかもしれません。
■具象でありながら抽象絵画のような世界観を独自の色彩感覚で構築し、ペインティングから壁画制作まで多くの作品を手掛けるアーティスト、Keeenue


―制作時のインスピレーションはどこから?
Keeenue:やっぱり海外に行くと今までにないものや体験があるので、もっといろんなところに行きたいです! あとはテーマパークのような空間や、ミュージカルの世界観、物語の構成などからもインスピレーションを受けます。
―いつ頃からアーティストを志すようになったんですか?
Keeenue:母親が絵を描くということもあって幼い頃から絵を描いていたんですけど、最初はアートディレクターやデザイナーになりたいなって大学に進学したんです。でも学校に入っていろんなものを見ていくなかで自分の表現をしていきたいと思いアーティストを目指すようになりました。

―最近はどんなお仕事をされていますか?
Keeenue:以前から大きいものを作りたいと言っていたので、壁画やライブペイント、大きなビジュアルを担当させていただけるようになってきて嬉しいです! 最近は色々な企業さんからのお仕事で絵を描くことが増えてきました。

―作品・仕事へのこだわりは?
Keenue:具象と抽象のちょうど真ん中を描きたいなって思っています。どちらにも良さってあると思うんですけど、誰も見たことがないと同時に、誰が見ても何かを受け取ってもらえるようなものを作れたらなって。観ている人たちの感じ方でいろいろな表情に見える絵を描いてますね!
■Wooly magazine、SPUR、NEUT magazineなどの雑誌、メディアで活躍中のイラストレーター、moka


―制作時のインスピレーションはどこから?
moka:80年代〜90年代のポスターや雑誌を見たりすることが多いです。あとはディグるのが好きなのでいろいろなところに飛んで面白いのを見つけたら、それを描いたりします。本当にいろいろなところからインスピレーションは受けていますね!

―いつ頃からイラストレーターを志すようになったんですか?
moka:小さいときから絵を描くことが大好きだったんですけど、本格的に始めようと思ったのは2年前くらい。大学を卒業したタイミングでフリーで絵を描こうって決めました。大学の頃からZINE作ったり、グッズ作ったりしていたんです。それが今に繋がっているなって思いますね!

―最近はどんなお仕事をされていますか?
moka:最近はイベントでグッズ販売などをすることが多いです。でも、これからは雑誌はもちろんのこと、東京だけでなく地方にも行って展示をしたりしていろいろな人たちと出会いたいなって思ってます!
―作品・仕事へのこだわりは?
moka:人の絵がほとんどなんですけど、単純に描くのが楽しいんですよね。あとは、人がめっちゃ好きなんです! お仕事をもらっているのも人との繋がりだし、そういう繋がりであったり出会いを表現するのがこだわりなのかって思います。
■アパレルブランドや音楽イベントのアートプロデュースなど様々なアートワークを手がけるイラストレーター、YUGO.


―制作時のインスピレーションはどこから?
YUGO.:インスピレーションの軸は完全に音楽です。大好きなUKやNYのバンドサウンド、MV、アートワーク、生き様、すべてから刺激をもらうことが多いですね。
―いつ頃からイラストレーターを志すようになったんですか?
YUGO.:よくこの質問をされるのですが、これだっていうキッカケはないんですよね…。絵を描く以外の事が何もできなかったので、これを仕事にするしか道がなかったという選択ですかね(笑)。

―最近はどんなお仕事されていますか?
YUGO.:最近は主にバンドのグッズデザインやアパレル広告、あとは雑誌の連載等が多いですね! 音楽やファッションなど幅広く活動させていただいています。
―作品・仕事へのこだわりは?
YUGO.:色んなオファーをいただく中で、自分が面白い・格好良いと思ったものだけをお受けしています。そこがブレ出すと自分を信頼してくれている仕事仲間を裏切るような気分になるので。
■ウェブメディアやアパレルブランドの撮影など幅広い媒体で活躍するフォトグラファーCho Ongo


―制作時のインスピレーションはどこから?
Cho Ongo:街中を歩いて、広告や歩く人たちからインスピレーションを受けることが多いです。あとは写真集や展示など、アート全般から受けることが多いですね!
―いつ頃からフォトグラファーを志すようになったんですか?
Cho Ongo:大学で写真サークルに入ったのがきっかけです。最初は女の子を撮りたいって思ってサークルに入ったんですよ(笑)。でも、現像するのがすごい楽しくてそこからカメラにどっぷりハマりましたね! 写真を始めて世界が広がりました!

―最近はどんなお仕事をされていますか?
Cho Ongo:普段はウェブメディアのインタビューでの撮影やルックブックなどの撮影を主にしています。あとは作品撮りも定期的に行っていますよ! 最近は展示の企画などもするようになりました。

―作品・仕事へのこだわりは?
Cho Ongo:写真って正直誰でも撮れるって思うんですけど、その中でどうやって自分の作品を表に出していくかを常に考えています。人から見て“自分の写真”ってわかるように差別化するように心がけていますね!
■都市伝説・陰謀論などのオカルトカルチャーをファッションに昇華。アパレルブランド「Conspiracy theory」デザイナー、葛西智裕


―ブランドを作るにあたってのインスピレーションはどこから?
葛西:古い雑誌だったり、人との会話の中から受けたりしますね。
今まで見てきたグラフィックだったり面白みのあるサンプリング元を頭の中の引き出しから引っ張り出したりしています。
―なぜ、コンセプトが「都市伝説」だったんですか?
葛西:もともと、都市伝説とかオカルトが好きで調べたりしていたんです。あとは僕の周りにはメディアで流れてはいけないような情報を持っている人が何人か居て。そんなネタを自分なりに噛み砕いてプリントに落とし込んだら面白いかと思ったのがきっかけです。

―ファッションデザイナーを志した理由は?
葛西:志していたというかTシャツ集めが趣味なのですが、自分の欲しいと思うプリントがなくなってきてしまって…。それなら自分で作るしかないと思いブランドを始めました。
―これからの目標を教えてください!
葛西:都市伝説ってもう都市伝説じゃないと思うんです。一歩間違えたら政府に消されちゃったり…(笑)。でも僕はそこがゴールだと思っているのでいち早く大きいブランドにしてプリントを通して人類に警告していきたいです!
“McGuffin×Artist”のコラボ作品はこの6つ!
各アーティストにMcGuffinが出したテーマ“Youth(若さ)”/“Trigger(きっかけ)”のどちらかに沿って作品を制作したのが “MASHUP”の見どころの一つ。

テーマは決まっていても、描くアーティストが違うとここまで作品が違うのかと驚くほど各々の個性が表現された作品に多くの人が感動を覚えていた。
ここでは作品とアーティストのコメントを紹介していこう。

■Kureino

▼Kureino’s VOICE
選んだテーマ “Youth(若さ)”
これから先色々な色に染まっていけるよ、
みたいなイメージで描かせていただきました。
■SUGI

▼SUGI’s VOICE
選んだテーマ “Trigger(きっかけ)”
コンセプトは”怒り”にしました。学生時代に絵の展示会に足を運んでは、”なんであの人が展示ができるんだ、俺の方がいいに決まっている”と思った瞬間から、自然と絵と向き合うようになりました。ジェラスと葛藤しては自己嫌悪の繰り返しの毎日、どうやったら、絵で飯が食える? どうしたら憧れの場所にいける? そんな初期衝動を表した作品です!
■Keeenue

▼Keeenue’s VOICE
選んだテーマ “Trigger(きっかけ)”
知らないんじゃなくて、知ろうとしないだけ。
■moka

▼moka’s VOICE
選んだテーマ “Youth(若さ)”
ほとんどの人が自分の部屋を持っている。その部屋には壁じゅうに貼ってある大好きなアーティストのポスター、本棚いっぱいの小説、休日に聞くレコードたち、その人の好きや青春がたくさん詰まっているはず。毎日忙しすぎて寝るためだけに帰る部屋なんてつまんない。忙しい日本の若者たちだからこそ、意識してお花を生けてみたり、大きいポスターを貼ってみたり。この絵を見てちょっとでも自分の部屋を大好きな居心地のいい部屋にしてほしいです。
■YUGO.

▼YUGO.’s VOICE
選んだテーマ “Youth(若さ)”
自分がいつも絵に描く人物はどこか不慣れで繊細で反抗的。
まさにYOUTHというテーマが自分の作品のすべてだと思います。
■Cho Ongo

▼Cho Ongo’s VOICE
選んだテーマ “Trigger(きっかけ)”
写真を撮る上で、大切にしてるのは、周りをよく見る事。
普段気付かないことや、新たな視点で見る事は少しでも日常を楽しくするので、それを意識してピンと来た瞬間を写真に収めることができると心が震えます。
表参道ROCKETで開催した理由
多くのセレクトショップや古着屋、アートギャラリーが立ち並ぶ、原宿・表参道という土地。休日には多くの若者たちが訪れ、“最先端”のモノやコトに触れている。そんな“流行の街”表参道に今回のイベントの舞台である“表参道ROCKET”はある。

昭和の雰囲気が残る同潤会青山アパートの一室で誕生したこちらのスペースでは、さまざまなアーティストが展示会・ポップアップイベントを開催。アート好きの方なら一度は訪れたことがあるのではないだろうか。
今回はミレニアル世代のリアルを発信するMcGuffinと表参道という土地でユースカルチャーやファッション、アートを発信し続けている表参道ROCKETとのコラボにより実現したリアルイベント。
ここでは、今回のイベントについて表参道ROCKETの塚原さんに話を聞いた。

―表参道ROCKETはどんなスペースなんですか?
塚原:表参道ROCKETは、『VOGUE JAPAN』、『BRUTUS』などの雑誌デザインを手がけるデザイン集団CAPの代表、藤本やすしがオーナーのギャラリーです。
雑誌のような、クラブのような新感覚ギャラリーを目指し、“ファッション”と“モード”をテーマに、時代の気分や空気感を反映した“新しくて面白い”を発信し続けています。新進気鋭の若手クリエイターにフォーカスし、1,2週間単位で展示にあわせて空間演出がガラッと変わるところも魅力だと思います。

―今回のイベントについての感想などはありますか?
塚原:今回ミレニアル世代のリアルを発信するMcGuffinさんとご一緒させていただいたことで、今注目を集めるアーティストの方々と素敵な空間を作ることができてとても嬉しいです。また、普段とは異なる、ストリートカルチャーやスケーター、HIPHOP好きな若いお客様が多くて、その点も刺激になりました。沢山の方にお越しいただき、大盛況の展示となりました。


Epilogue
今後も目の離せない若き才能と新たなカタチ
若き才能7名が集まった“MASHUP×McGuffin”。各々の感性や個性に触れてみると彼らの作品がより良いものに見えるのはなぜだろう。そういう感情こそがアートを楽しむキッカケなのかもしれない。
当初のテーマであるMcGuffin、アーティストそして参加者が様々な形で混ざり合って新たなカタチを作る。そんな時間をリアルに感じれる場所になったことは間違いない。これからもMcGuffin、参加したアーティストたちから目が離せない!

表参道 ROCKET
住所:渋谷区神宮前4−12−10 表参道ヒルズ同潤館3F
問い合わせ: 03-6434-9059
HP: http://www.rocket-jp.com
INSTAGRAM:@rocket___
TEXT:SHUNSUKE SASATANI
PHOTO:TAKAHIRO KIKUCHI